施設長挨拶

 今年も残すところあとひと月となりました。
少なくとも季節ごとにご挨拶をと思いながら、春から一気に秋に飛んでおります。お許しください。

振り返ると、夏は8月後半よりコロナの大波を受けて、隣接する教会の礼拝堂もお借りしての対応でした。職員はへとへとになり、子ども達はじっと我慢して、個室生活や隔離生活を耐えてくれました。しかし、非日常の体験はやはり貴重で、様々な事に気づかされます。
普段は接点のない事務所の職員や他のホームの児童・職員との隔離棟での共同生活、ホームに残された濃厚接触の子ども達も個室(自室)生活が強いられましたが、職員の様々な工夫で、その期間に目に見えない何かが起こっていたのでしょう。今年の秋は、公民館文化祭に沢山の作品が出典され、一人時間を使うことが上手になった子どもたちの力が発揮されていました。
また、11月6日は県内の養護施設の女子バドミントン大会でした。小学校1年生から学年別の個人戦と団体戦が繰り広げられたのですが、なんとシオン園の歴史上初めて、女子団体スポーツで優勝を飾りました。実はシオン園男子は昔、相撲王国として県内に名をとどろかせていたのです。今は、昔の鍛え上げるイメージとは違い、「楽しくやろう、気軽にやってみよう」という雰囲気のバドミントンです。しかし、負けると大泣きするお嬢さんもいて、勝つ喜びと負けるくやしさを味わうとても良い機会でした。その時だけでもいいので、「頑張る」体験は貴重だと思います。
これら全て、職員の自主的な工夫、働きの賜物です。子ども達の成長は、職員の工夫、仕掛け、働きかけの結果です。そして、それができるのも、職員をお支え下さるご家族のご理解とご協力のおかげだと痛感しております。コロナを乗り越えられたのも、職員が電話一本で仕事場に駆けつけたり、度重なる勤務変更に耐えてくれたためです。この場をお借りして、職員とご家族に深くお礼申し上げます。
朝晩の冷え込みが厳しくなります。皆様、どうぞご自愛下さい。

シオン園施設長 久佐賀眞理

2022年11月12日